テクニカル・バックグラウンド

レコード盤、CD、MP3 - 音質の違いが再びテーマに
「ビニール製 LP には12ギガバイトの容量が」
耳を騙すことはできません
Preiserにはまだまだ沢山のビニール製のアナログ録音があります
今も魅せる古(いにしえ)の響き:シェラック製のオリジナルレコードからの再録音
シェラック:ノイズは「良い音」のひとつです。
Preiserの今も魅せる古(いにしえ)の響き:すべてはそのまま!
1950年代、ウィーンの録音ブーム  
当社の録音エンジニア:数十年の経験

レコード盤、CD、MP3 - 音質の違いが再びテーマに

1980年代のはじめ、CD ファンとビニール製レコード盤擁護派との間で、熱い議論が闘わされました:良いのは、アナログの LPか、デジタルCD か ?「通常の」 HiFi システムでは、この違いについて簡単に決着を付けることはできませんでした。CD は、そのさまざまな「実用的な」長所により、この 25 年間愛用されてきました。
何種類かの圧縮方法 (MP3、MP4等) が登場したことで、2 つの変化が起こりました:
1つは、CD のシェアが低下したことです。もう 1 つは、MP3 とビニール製の間には響きの違いがあり、その違いが極めて大きいということが今やあまりにも明白になったことです。どういうわけか、MP3では音楽のかなりが「失われる」のです。しかし真相は、そしてその理由は ?

「ビニール製 LP には12ギガバイトの容量が」

もちろんそんなことはありません。しかし、(聴いてわかり、感じることのできる) 音質の違いのキーワードは、 「データ整理」であり、この概念が必要な保存領域という回り道について少し解明してくれます。
MP3フォーマットの楽曲が、例えば 5MBの領域を必要とするとき、これが圧縮していないCDであればおよそ50MBになります。では LPだとどれ位になるでしょうか ?
それについて試算してみた人があり、それによれば、すべての微妙なニュアンスまで把握するには、LPだと 800kHz のサンプリング・レートで走査しなければならないと言うものでした。(比較:(CD では44.1 kHz)
結果:ビニール製の場合、1 枚で、およそ1GB に相当これではしかし、一台のiPod には沢山収容できません。
つまり、削除された音要素があると言うことに他なりません。
音の場合、5MBでも1GBともさほど違いがないように聴こえます。

これを、写真で考えてみるともっとわかりやすくなります:現代のデジタルカメラの画像(例えば5MBのサイズのもの) を、25KBの画像サイズになるまでスキャンしてみて下さい。
さて ?いかがでしょう ?画像のディテールはどこへ行ってしまったのでしょう ?

耳を騙すことはできません

音楽におけるデータ整理もまた (簡単にはわかりませんが) 似たような状況なのです。ここに、データがどのように整理されるかについての2つの実例を挙げてみます:
  • 大きな音は小さな音をかき消します。つまり、小さな音はすべて消してしまうのです。
  • データ内の音量の差を少なくします。すべては、多かれ少なかれ「同じ音量」になります。ダイナミクスをこのように最小にすると、必要とされる容量も少なくなります。
音楽に対してこのように介入を行えば、それが聴き取れ、感じ取れるようになるのは簡単です。ここでの問題は:自分は一体どれだけの音楽的損失を許容できるかという点です。
  • 聴き取れる限界点近くの繊細なノイズは、例えば録音空間の雰囲気を伝えてくれるものです:このようなノイズが消えてしまうと、響きは平板で変わりばえのしないものになってしまいます。
  • 息を吹き込む音や息を吸う音は、その音楽の真正さ情感には大切なものです。
  • ダイナミクスの相違は、とりわけクラシック音楽には基本的なエレメントです。このダイナミクスの相違の幅を狭めれば、「平板な」演奏になります。

しかしながら、決定するのは自分自身です:Preiser Recordsには、数多くの歴史的演奏の録音があり、最高4 種類のバージョンに分かれています:ダウンロード用のMP3 、優れた音質を持つものとして格付けされるCDバージョン(配送用) および、多くの場合、完全にアナログ生産されたNOSビニール製レコード盤(NOS = new old stock) です。(PreiserのLPカタログを参照して下さい) または、アナログのMC (=Music-Cassette:これについては お問い合わせ下さい)

Preiserにはまだまだ沢山のビニール製のアナログ録音があります

1960年代から70 年代にかけて、"State-of-the-art" と言うアナログ技術で生産されたNOSビニール製レコード盤は、まだ潤沢な在庫があります。重点:今では伝説的なシリーズとなった『今も魅せる古(いにしえ)の響き』に収録された、前世紀の歌手(250)名以上を網羅して「現代に呼び戻した」、歴史的名歌手のポートレートです。

音響技術面と芸術面の「支柱」であり、Preiser Recordsの経営メンバーとして貢献したのは、ユルゲン・シュミット教授です。この 50 年間のオーストリアにおける最も名声の高い録音監督として、彼は、歌手、作曲家、指揮者、演奏家など音楽シーンを代表する偉人達を個人的に知っていただけではなく、新録音または再録音の質の高さの規範を示す立場にあります。

今も魅せる古(いにしえ)の響き:シェラック製のオリジナルレコードからの再録音

シュミット教授の監督のもと何十年もの間に、数千に及ぶ比類なき音のドキュメントがシェラック製オリジナルレコードからマスターテープに再録音されました。これらの録音が『今も魅せる古(いにしえ)の響き』の基礎となりました。これはおそらく、この規模で揃えることのできた前世紀の名歌手の「カタログ」としては、唯一最後のものとなるでしょう。その音質は、限りなくオリジナルに近いものです。すなわち、古い78回転のレコードにノイズがあるように、この録音にもノイズがあるのです。しかし、数分も経てばそんなことは何も気にならなくなります。なぜならば、歌声の魅力に引き込まれてしまうからです。

シェラックス:半世紀の音楽の歴史と共に

シェラックとは、重くて大変割れやすいレコード盤のことで、78回転で再生され、大抵は漏斗型の拡声装置のついた旧型蓄音機 、そしてそれに相応な「ひどい」音質とセットで思い起こされるものです。
残念なことです。というのも実際はまったく違うからです。シェラックは、半世紀以上の長きに渡って録音媒体の代表であり続け、1950年代にはHiFi クオリティを持つに到っているのです。78回転のレコードの最後の商業生産は、何とまだ1965年(!)のことだったのです。

シェラック:直接ディスクに

音響的な視点から見て極めて興味深い試み:テープ録音が全盛となるまで (およそ 1940 年代初頭以降)、「直接カッティング盤」であるシェラック録音は、今日のビニール製レコード盤愛好者の間で最高の評価を受けるものであり続けました。なぜならば:音楽の演奏は、シェラックから回り道なしにすぐに鋳型となるからです。すなわち、他の媒体を経由しないと言うことです。「スタジオ・テクニック」の入り込む余地はありません。
結果:魅惑的な音楽体験がそのまま体験でき、直接性と信じられないような臨場感のあるものが出来上がりました(何よりも声において)。これは、その他の媒体では達することのできなかった境地でした。随分思い切ったことを言うと思われるかも知れませんが、すでに当時、つまり終戦直後の時代、 誰も78回転のレコードを最良の機器を使って聴くことなどできなかったのです。何十年もの間、技術的な理由でできなかったことなのです。レコード針からドライブ、そして補正プリアンプへ、「適正な」機器に到るには困難ばかりがつきまといます。ただ、「フリーク」と呼ばれる人たちだけがそうすることの価値を知っていました:もし、スウィング・ミュージックをシェラックで、もっと良いのはロックンロールをシェラックで、7 回転の最適化された機器で聴いてみるチャンスがあるのなら、是非やってみて下さい。驚かれること請け合いです。

これを読んで興味を持たれた方は:"78rpm(78回転)" のキーワードでインターネット検索してみて下さい。

シェラック:ノイズは「良い音」のひとつです。

シェラックの持つ欠点はそのままで良いのです:その材料 - そもそもシェラックとはインドのカイガラムシの分泌物です - は、ビニールよりも粒子が粗いのです。最高周波数が制限を受け、材料の組成が音になって現れます。すなわち、ノイズが発生します。デジタル音源への「現代的な」再録音方法では、音響技術者は大抵このノイズを削除しようとします。そしてそのために根元的な音の構成要素まで消してしまうのです。そのために、そのような録音物の多くは、たとえ良くても味気ない響きがし、大抵の場合はひどい音がします。

Preiserの今も魅せる古(いにしえ)の響き:すべてはそのまま!

『今も魅せる古(いにしえ)の響き』の録音は、最も古いもので 100年前のものになります。ノイズがあります。しかし、それは何も消されていない録音であり、聴く価値のあるものです:すべて、適正な針先カッティング (65µmだけがすべてではありません)、正しい回転数 (78rpmは本当の78rpm とは違うのです !!)、そして適切な補正 (小説に対しても行われるように) によってオリジナルに忠実に再録音されています:ビニール製レコード盤には純粋なアナログ技術で、CDにはソニック・ソリューションで最適化されています。すなわち、傷によるノイズや重大なエラーは取り除かれています。
まずお聴き下さい - そして、Karl Farkas (カール・ファルカス) と対話してみて下さい。

Preiserの録音スタジオ

40年以上にわたる「古典」録音の実績

Preiser Recordsは、複数のスタジオを保有しており、そこで録音や再録音を行っています。その中の 1 つのスタジオは、(カジノ・バウムガルテン と呼ばれ、1965年以来何も変更されていません。実際にオリジナルの機器セットとともにオリジナルの状態で維持されています。古くからの真空管技術による世界最後のクラシックの録音スタジオとして、このスタジオは以前から使用されており、現在でも高品質アナログ録音用に使用されています。 そのために使用される部屋の音響は大変素晴らしいもので、大量生産目的の録音にも使われています。残念ながら焼失してしまった、かつてのウィーンのソフィア・ホールあたりと比較できるものです。

1950年代、ウィーンの録音ブーム  

50年代後半、ウィーンではたいへんな録音ブームが起こりました:アメリカのレコード会社が、絶えず適切なホール、最高の音楽家、スタジオ、そして録音技術を求めていました。お金は問題ではありませんでした(当時のドルはおよそ 25シリングでした(現在の2EUR程度))。音楽家のギャラは安く、人々はまだ新しい HiFi技術、そして1958年頃からはステレオ技術を熱狂的に迎え入れていました。この頃、ロンドンのDECCA がウィーンのソフィア・ホールの権利を取得し、そこで数々のクラシックの貴重な録音を行いました。

1965年Preiserのヴィンテージ・スタジオ設立

1965 年、当時手に入る最高の技術が投入されました (下記のリストを参照して下さい:機器は今日もなお「State-of-the-art」です)。大きなスタジオです。付属の録音ホールは、1970年代まで、オーストリアの偉大な音楽家や舞台芸術家が集う場所でありました:フリードリッヒ・グルダはここでユーロ・ジャズ・オーケストラの録音を行い、パウル・バドゥラ=スコーダとイエルク・デムスはここのベーゼンドルファーインペリアルのグランドピアノを演奏し、ギルバート・シュフターは彼のすべてのシューベルト録音とモーツァルトの全レパートリーの録音をここで行い、ファティ・ジョージや、カール・ファルカス、ヘルムート・クヴァルティンガー、そして多くの芸術家達がここに集いました。ヨーゼフ・カミコヴスキーの監督による、今や語りぐさになっている録音もここで行われました。 

当社の録音エンジニア:数十年の経験

ここに名を連ねた芸術家の多くは彼岸の人となってしまいましたが、ミキサーを操る芸術家達は今でもいわば「オリジナルの状態」で活動しています。ヨーゼフ・カミコヴスキーは、ほとんど60年間「現役」で、すべてのアナログのスタジオ技術をその端緒から経験し、導入し、完成させました。

ヘルムート・ライストナーは、Preiserのヴァッサーガッセ・スタジオのために尽力しました。これは主に、スピーチ録音、放送劇、および復古録音 (『今も魅せる古(いにしえ)の響き』) に使用されました。

Preiser のスタジオ装備の例

モニタリング:
Altec 604
JBL 4313
Yamaha NS-10 M
アナログ・テープ
1/4"/2- または 4 トラック、1/2"/ 2- または 3 トラック、1"/ 3- または 4 トラック
Studer C37
Studer J37
Studer A62
Studer A-80
アウトボード
フェアチャイルド・リミッタ/コンプレッサ
WSW リミッタ/コンプレッサ
EMT 140 plate reverb
Dolby SR spectral recording
ミキシング
WSW チューブ & トランジスタ・ミキシング・コンソール 16/4
Studer コンソール 962
WSW/Siemens チューブ・プレイバック・アンプ
マイク
Neumann M269
Neumann SM2
AKG C28 B
Schöps M221B
ピアノ: ベーゼンドルファー・インペリアル
    
Prof. Jürgen Schmidt
Prof. Jürgen Schmidt
Ton-Ingenieur Josef Kamykowski
40年間以上ミキサーとともに
録音技術者、ヨーゼフ・カミコヴスキー
録音室
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今も魅せる古(いにしえ)の響き
今も魅せる古(いにしえ)の響き
録音室
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